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2018年 最新版 メーカー向けネット販売価格調査システム比較
自社製品の値崩れによるブランド価値の低下や、販売店からの価格引き下げ交渉に悩まされるメーカーが増加しています。対策として、一般的に販社への価格調整一斉依頼を行われていますが、価格調整依頼の根拠となる販売価格調査に大変な労力が必要です。
その労力を軽減するために、多くのメーカーでは価格調査を自動化する価格調査システムを導入しています。価格調査システムを導入すると、早く簡単に価格調査を実施でき、ブランド価値の毀損を防ぎ、販売店からの苦情などを減らすための打ち手をスピーディーに実施できるようになります。
それでは価格調査システム導入の参考として、メーカー(自動車、家電、PC、携帯、コンタクト、雑貨、家具、自転車、アウトドア用品、おもちゃ、日用品、アパレル、タイヤ、薬品など)がEC市場での自社製品販売価格を調査することに役立つツール(価格調査システム)を比較します。
価格調査システムとは、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピング、大手量販店、ホームセンターネットショップなどのインターネット上のネットショップでの販売価格を調査するシステムです。
自社製品が、いつ・どこで・いくらで販売されているかを知りたいときに自動的に調査できます。人手での調査では困難な調査対象サイト数、製品数、頻度で自動的に調査をしてくれるシステムです。
価格調査システムは大きくわけて、価格調査に必要な価格取得、データ蓄積・分析機能すべてが実装されているパッケージ型システムと、自社の要望に応じてWebクローラーをベースにカスタマイズ制作するものの2つがあります。
ここでは、導入コスト・ランニングコストともに比較的手軽に利用できる、パッケージ型システムを徹底比較します。
国内で販売されているパッケージ型価格調査システムで主なものは、以下の2つです。
1,プライスサーチ
2,Pricewalker
それぞれのスペック・料金を比較します。
前提として、ユーザーであるメーカーの価格調査から販売店への価格調整依頼実施の流れにおいて重要なポイントを押さえ、そこから価格調査システムに求められる以下6つのポイントを中心に比較します。メーカーが実施する自社製品の販売価格調査から販売店への価格調整依頼のサイクルはおおむね次の通りです。
①価格調査対象製品決定
②価格調査対象販売店決定
③価格調査システム設定
④価格調査
⑤価格調整依頼対象販売店決定
⑥価格調整依頼
⑦価格調整状況検証
①に戻る
このサイクルを速やかに回すために価格調査システムに求める機能は次のとおりです。
1,調査先サイトの数が多い
2,調査頻度が多い
3,データ分析機能が充実している
4,導入しやすい
5,コストパフォーマンスが高い
6,サポート体制が充実している
以上6点を中心に価格調査システムを比較します。
【プライスサーチ】
プライスサーチは、バリュース株式会社が開発・販売する価格調査システム。メーカーへの導入実績は、およそ100社(2018年3月時点)導入社数はナンバーワンです。
1,調査先サイトの数
調査対象サイトは約100サイト(2018年3月時点)。楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングなどのショッピングモール、価格.comなどの価格比較サイト、大手家電量販店のネットショップはもちろん、中堅ショッピングサイトにも対応している。国内の主なショッピングサイトには、ほぼ全て対応しています。
2,調査頻度
調査頻度は最大1回/15分〜1回/1日の間で、柔軟に設定できます。価格変動が比較的少い製品はもちろん、価格の弾力性が大きく価格変動頻度が高い家電製品やPC、携帯端末、家具、カー用品などの価格調査にも対応できます。
3,データ分析機能
価格調査システム導入基準は、データ分析機能が充実しているかどうかが決め手です。
その理由は次の通りです。
ユーザーの価格調査から販売店への価格調整依頼の流れは概ね以下の3ステップです。
1,下回ってほしくない販売価格をしきい値として設定
2,価格調査でそれ以下の価格をつけている販売店を特定
3,事前に決定した価格調整対応を行う
ですから、価格調査システムの分析機能に求められる要素は次の3つということになります。
①調査対象製品ごとにしきい値を設定できる
②しきい値を下回った販売店がどこかがひと目でわかる
③その後の他店への価格下落の連鎖を把握できる
プライスサーチの最大の特徴は、しきい値を下回った製品が見つかったタイミングでアラートメールを受信できること。具体的には、調査対象製品の価格変動を時系列でモニターでき、たとえば「製品Aの価格が◯円以下になったらアラートを出す」といったことができる機能が実装されています。設定できるアラートの種類は以下の3つです。
①「しきい値を下回る商品がある場合に通知」
②「しきい値を下回る商品の価格に変動があった場合に通知」
③「しきい値を下回る商品の最安値に変動があった場合に通知」
しきい値を下回った商品、販売店の視認性も優れています。
しきい値を下回った価格をつけた販売店は画面上に太字で表されますのでひと目で確認できます。また、前回調査より価格が下がっていればそのセルが赤く表示され、価格が上がっていればセルの色が青くなり、価格の上下動を判別しやすくなっています。
また、調査対象サイト中、最安値をつけている販売店とその販売価格はもちろん、最安値から上位20位に該当する販売店を一覧で確認できます。それらのデータを時系列で確認できますので、会議等では、そのデータをもとに前回の価格調整依頼の検証や次回価格調整依頼スケジュールの確認などの打ち手を検討することができます。
4,導入しやすい
プライスサーチは、最短で利用申込の翌日から利用できます。国内の主なショッピングモール、大手量販店のショッピングサイト、有名ショッピングサイトに対応しているため、導入時カスタマイズの必要がないケースが多く、最短で翌営業日から利用開始できます。また、調査対象商品が多数ある場合には、登録代行サービスも利用でき、速やかに導入できます。
5,コストパフォーマンスが高い
プライスサーチの利用料金は、初期費用150,000円〜(税別)、月額料金70,000円〜(税別)。調査対象サイト数、調査頻度、同時ログイン可能人数の設定によって変動する。月額70,000円で人手では絶対に実施できない作業を自動化できる。その効果はかなり高いと言えます。
6,サポート体制が充実している
プライスサーチは、電話・メールでのサポートはもちろん、導入時訪問による操作トレーニングが受けられます。また、運用マニュアルや価格調査に関する情報提供、ユーザーの課題発見サポート、データ分析も実施しており手厚いサポートが受けられます。
【Pricewalker】
Pricewalkerは、株式会社キーウォーカーが開発・販売する、価格調査システムです。メーカーへの導入実績は非公開ですが、小売店など小規模サイトなども含めた導入実績は270社あります。Pricewalkerの最大の特徴は、Ajaxなどの技術で動的生成されるサイトのクロールに対応していることです。スクロールで次々と情報が表示されるサイトからの価格情報取得やHTMLにない情報も取得可能です。
1,調査先サイトの数
調査対象サイトはユーザーの要望により都度設定されます(2018年3月時点)
楽天・Amazon・Yaoo!ショッピングなどのショッピングモール、大手家電量販店のネットショップのクローリング実績がああります。
2,調査頻度
調査頻度デフォルト設定されていません。ユーザーの要望に応じてカスタマイズすることになりますので、調査頻度を自由に設定できるメリットがある反面、導入時のカスタマイズに時間と費用がかかることと、調査頻度頻度を変更したい場合にも導入時同様のカスタマイズが必要になる可能性が高いデメリットがあります。
3,データ分析機能
Pricewalkerそのものに、データ分析機能は実装されておらず、csv形式でデータをダウンロードし、別のシステムで加工する必要があります。株式会社キーウォーカーが提供しているBI(ビジネスインテリジェンス)ツール、「Tableau」を用いて分析することができますが、自由度が高いメリットがある反面、自社に必要な分析データ表示設定に手間がかかるなどのデメリットがあります。
4,導入しやすい
Pricewalkerは調査先設定、調査頻度、分析項目などの設定が必要になりますので利用開始までに数週間必要になります。
5,コストパフォーマンスが高い
Pricewalkerの利用料金は、ユーザーの要望に応じて都度見積りとなる。コストパフォーマンスはケースバイケースでかなり開きがありそうです。
6,サポート体制が充実している
Priewalkerはサポート体制がないため、基本的に問題は自社内で解決しなければいけません。社内のシステム部門が対応する体制を作る必要があるので、それも含め導入時に準備が必要になります。
【サービス概要比較】
【ソフト面比較】
価格調査データの精度や分析機能が充実しているのはプライスサーチ。調査の自由度を求めるならPricewalkerがやや優位という印象です。プライスサーチは、JANコード以外の商品名や型番などの特殊キーワードでの調査ができます。また、調査先サイトの仕様変更やアクセスブロック回避対応などのサポートも無料対応となっています。Pricewalkerは有償での対応ということを考えると、総じてプライスサーチに軍配ということになりそうです。
なお、プライスサーチでは、メーカーの価格調査・調整担当者の参考になる、「価格調整運用成功マニュアル」を無料進呈しているので入手先を掲載します。
最後に、プライスサーチ、Pricewlakerお問い合わせ先を掲載します。
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